アメリカの調査会社フォレスター・コンサルティングが、「Alfrescoエンタープライズコンテンツ管理ソリューションの経済的インパクト(The Total Economic Impact of Alfresco's Content Management Solution)」というレポートを2011年12月に発表し、Alfresco ECMソリューションがもたらす経済的なインパクトおよびROI(投資利益率)について報告しています。
それによれば、Alfresco導入への投資の回収期間は平均10ヶ月で、3年間で約130万ドルのコスト削減が可能とのことです。
(リンクしたサイトでもタイトルに「Alfresco Enterprise pays for itself in 10 month(10ヶ月で元が取れる)」と書いてありますね)
この資料の仏語/独語/伊語版などはあったりするのですが、日本語版が出ていないので、今回はサマリ資料を更に抄訳してお届けします。
使用した図表はすべてフォレスター社が作成したものを私の方で日本語化したものになります。
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[調査の対象]
調査の数値は、偏りをなくすため、Alfresco Enterpriseを利用しているグローバルかつ様々な業界の企業4社(8000人〜40000人)に対して行ったものをベースに、モデル化した会社を想定して、フォレスター社が算定したものです。
調査対象となった4社の簡単な情報は以下の通りです。
■利用態様
・ほとんどは、新しい社内システムの一部として、ナレッジ共有やコラボレーションや中央のリポジトリなど。
・レガシーECMを完全に置き換える形で利用しているところも1社あり。
■導入期間
2〜6ヶ月
■ユーザ数・ドキュメント数
ユーザ:300〜35,000名 ドキュメント:100,000〜3,500,000件
[利益]
■ライセンス費用の低減
商用のプロプライエタリなプロダクトでは通常、ライセンス費用の18%から22%の年間メンテナンス費用が発生する。今回の調査では、$800,000から$2,000,000のコスト削減になったとの回答を得た。
=>表では、保守的に見積もって、初期コスト低減を$800,000、メンテナンス費用の低減は2年目から発生するとして算出した。
■ITメンテナンス費用低減
ドキュメント管理やコラボレーションのための施策が個別に行われていると、その管理・メンテナンス・ガバナンス・アップグレードなどが二度手間になってしまいます。Alfrescoにコンテンツ管理を統合して、乱立する共有ドライブを廃止することで、コスト削減ができる。
=>3年で$244,000(リスク調整後PV)
■安価な開発リソース
一般的でないECMの高価な開発リソースとは違って、汎用的なJavaの開発者が利用できる。
=>3年で約$195,000(リスク調整後PV)
■オープンソースによるITコスト低減
Alfrescoと他のオープンソースコンポーネントの統合は容易で、ライセンスと維持費が削減される。
=>3年で約$41,000(リスク調整後PV)
■インテグレーション・開発効率向上
Alfrescoと他のエンタープライズツールの統合に関して、ITスタッフは直接ソースコードを見る事ができ、オープンソースコミュニティの支援も受けられるので、高い生産性を発揮することができる。
=>3年で約$45,000(リスク調整後PV)
[費用]
■Alfrescoサブスクリプション
4社への調査をもとに、24時間×7日のサポート付きのエンタープライズ版のサブスクリプションとして算出。
=>3年で$251,000(リスク調整後PV)
■インテグレーション費用
プラットフォーム設計、プランニング、インテグレーション(既存ドキュメントの移行など)、プロジェクト管理などのための費用。
=>$315,000(リスク調整後PV)
■ハードウェア費用
15台のLinuxサーバ投資。
=>3年で$76,000(リスク調整後PV)
■トレーニング費用
エンドユーザトレーニングおよび3日間のトレーニングコースを含む。
エンドユーザトレーニングとしては、新しいナレッジシェアリングのプラットフォームとコラボレーション機能についての30分のウェビナーに、10,000人の従業員の80%が参加したと見積もられる。
=>3年で$220,000(リスク調整後PV)
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今回は以上になります。
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