先日、Alfresco4.0をインストールしてみよう(インストーラ編)という記事を書いたのですが、既存のアプリケーションサーバにAlfrescoをデプロイする場合や、Tomcat以外のアプリケーションサーバを利用する場合には、Alfrescoを手動でインストールする必要があります。そこで、今回は手動でインストールする方法について見ていこうかと思います。
以下では、Windows/Tomcat/MySQLの組み合わせで、Alfrescoのバージョンは本記事執筆時点の最新版である4.0.dを前提として話を進めますので、LinuxやMacの方や、JBossやPostgreSQLを利用する方は適宜関係する箇所を読み替えてください。
(2013/04/17追記) Alfresco4.2系でのインストール方法を紹介した記事を公開しました。
Tomcatを準備する
- Alfresco用のディレクトリを作成します。ここでは、Cドライブ直下にalfresco40dというディレクトリを作成し、以下ではALF_HOMEと表記します(ALF_HOME = c:/alfresco40d)。
- Apache TomcatのサイトからTomcatをダウンロードします。本記事では、Alfresco 4.0.dに同梱されているTomcatと同じバージョンであるバージョン6.0.29を利用します。
- ダウンロードしたファイルをALF_HOMEに展開します。展開するとALF_HOME以下にapache-tomcat-<バージョン番号>という名前のディレクトリが作成されますので、このディレクトリをTOMCAT_HOMEと表記します(TOMCAT_HOME = c:/alfresco40d/apache-tomcat-6.0.29)。
cd c:/ mkdir alfresco40d
MySQLを準備する
- MySQL Developer ZoneからMySQL Community Server 5.5をダウンロードし、インストールします。また、後ほど利用するMySQL Connector/J 5.1(JDBCドライバ)をここからダウンロードします。
AlfrescoをTomcatにデプロイする
- Alfresco Community Editionのダウンロードサイトにアクセスし、"Custom Installs & Optional Modules"のリンクからalfresco-community-4.0.d.zipをダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを適当なディレクトリに展開します。このうち、bin, licenses, web-serverディレクトリの中身をAlfrescoのディレクトリにコピーします。
- bin/* -> <ALF_HOME>/bin
- licenses/* -> <ALF_HOME>/licenses
- web-server/* -> <TOMCAT_HOME>
- JDBCドライバをTomcatのクラスパスに配置します。先ほどダウンロードしたMySQL Connector/Jを展開し、mysql-connector-java-5.1.xx-bin.jarを<TOMCAT_HOME>/libにコピーします。
- Tomcatの設定を変更します。まず、<TOMCAT_HOME>/conf/catalina.propertiesをテキストエディタで開き、shared.loaderプロパティを以下のように変更します。
- <TOMCAT_HOME>/conf/server.xmlをテキストエディタで開き、8080番ポートの設定を以下のように変更します。
- JVMのヒープサイズを設定します。<TOMCAT_HOME>/bin/startup.batに以下の行を追加します。最大/最小ヒープサイズはPCのスペックに応じて変更してください。
c:\alfresco40d のディレクトリ [.] [..] [apache-tomcat-6.0.29] [bin] [licenses]
c:\alfresco40d\apache-tomcat-6.0.29 のディレクトリ [.] [..] [bin] [conf] [endorsed] [lib] LICENSE [logs] NOTICE RELEASE-NOTES RUNNING.txt [shared] [temp] [webapps] [work]
shared.loader=${catalina.base}/shared/classes,${catalina.base}/shared/lib/*.jar
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1" URIEncoding="UTF-8" connectionTimeout="20000" redirectPort="8443" />
set CATALINA_OPTS=-Xms512m -Xmx1024m -Xss1024k -XX:MaxPermSize=256m -XX:NewSize=256m -server -Dalfresco.home=%ALF_HOME% -Dcom.sun.management.jmxremote
データベースを設定する
Alfrescoはコンテンツのメタデータをデータベースで管理し、コンテンツのファイル実体とインデックス情報をファイルシステムで管理します。以下ではそれぞれについての設定を行います。
- MySQLにログインします。
- 以下のコマンドでMySQLにAlfresco用のデータベースを作成します。この例では、データベース名をalfrescoとし、ユーザ名/パスワードもalfresco/alfrescoとなります。
- Alfrescoが上記データベースを使用するように設定ファイルを変更します。<TOMCAT_HOME>/shared/classes/alfresco-global.properties.sampleをalfresco-global.propertiesにリネームし、テキストエディタで開いて以下のように変更します(コメントアウトされている場合はそのコメントアウトを外し、環境に合うように設定を変更してください)。
- 引き続きalfresco-global.propertiesを編集し、dir.rootプロパティを設定します。dir.rootはコンテンツ実体やインデックス情報を格納するディレクトリを指定するプロパティですが、<ALF_HOME>/alf_dataあたりを設定しておくと無難です。
mysql -u root -p
create database alfresco default character set utf8 collate utf8_bin; grant all on alfresco.* to 'alfresco'@'localhost' identified by 'alfresco' with grant option; grant all on alfresco.* to 'alfresco'@'localhost.localdomain' identified by 'alfresco' with grant option;
# # Sample database connection properties # db.username=alfresco db.password=alfresco # # MySQL connection # db.driver=org.gjt.mm.mysql.Driver db.url=jdbc:mysql://localhost/alfresco?useUnicode=yes&characterEncoding=UTF-8
dir.root=c:/alfresco40d/alf_data
その他の設定を行う
最後に、その他のツールとの連携設定を行います。ここではOpenOffice、ImageMagick、SWFTools(pdf2swf)について説明します。この3つのツールの用途は以下のとおりですので、必要に応じてインストール、設定を行ってください。
- OpenOffice : Alfrescoでファイルフォーマット変換を行う際に使います。PDF変換機能などを利用する場合に設定する必要があります。
- ImageMagick : コンテンツのサムネイルやプレビューを生成する際に使います。
- SWFTools : コンテンツのプレビューを生成する際に使います。
- それぞれのサイト(OpenOffice.org、ImageMagick、SWFTools)からツールをダウンロードし、インストールします。次に、alfresco-global.propertiesをテキストエディタで開き、以下のプロパティを設定します。
- ooo.exeはOpenOffice実行ファイルのパスを指定します。
- img.rootはImageMagickのインストール先、img.dynはライブラリディレクトリ、img.exeは実行ファイルパスを指定します。Linuxの場合はimg.rootを設定するだけで動くかもしれません。
- swf.exeはSWFToolsに入っているpdf2swfの実行ファイルパスを指定します。
ooo.exe=C:/Program Files (x86)/OpenOffice.org 3/program/soffice ooo.enabled=true img.root=C:/alfresco/ImageMagick-6.7.3-7 img.dyn=${img.root} img.exe=${img.root}/convert.exe swf.exe=C:/alfresco/SWFTools/pdf2swf.exeなお、筆者手元の環境は、OpenOffice 3.3.0、ImageMagick 6.7.3-7-Q16、SWFTools 0.9.0となっています(若干古いリリースを利用しています)。
Alfrescoを起動して動作確認する
以上で一通りの設定が終わりになるので、最後にAlfrescoを起動し、動作確認を行います。
- <TOMCAT_HOME>/bin/startup.batを実行し、コンソールの出力内容(もしくはalfresco.logやcatalina.out)をチェックします。初回起動時はデータベースにテーブルを追加する作業やwarファイルを展開する作業がありますので時間がかかります。
- 起動が正常終了すると、コンソールもしくはログに"Server startup in xxxxxx ms"と表示されます。
- 正常に起動したら、ブラウザからAlfrescoにアクセスしてみましょう。http://localhost:8080/shareにアクセスします。管理者ユーザのデフォルトユーザ名/パスワードは、admin/adminになりますのでそれを入力します。
- 正常にログインし、ダッシュボード画面が表示されたらめでたく動作確認完了です!
以上がAlfrescoを手動インストールする手順になります。Alfrescoを実際に使ってみるにあたっては、弊社Webサイトからダウンロードできるユーザガイド等が役立つと思いますので是非参考にしてみてください。
Linuxだと、/bin/startup.batではなく、/bin/startup.shでもなく、/bin/catalina.shに入れないといけないです。他の大切なこと:Java JDK 7は必要です。複数のJavaがあれば、catalina.sh上の方に下記の行を入れてください:
ReplyDeleteJAVA_HOME="/path/to/jdk7"
現時点での最新版4.2.cでは必要なソフトウェアの要件等も変わっているため、新しいエントリを書きました。
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