今回は先日リリースされたAlfresco Community 5.0.aをWindowsにインストールする手順と、5.0.aの新機能について紹介したいと思います。インストールについてはデフォルトの簡易インストールで進めます。データベースとしてPostgreSQL、アプリケーションサーバとしてTomcatがインストールされます。
インストール手順
1. Alfrescoのダウンロードサイトからインストーラをダウンロードする。
2. インストーラを実行する。
3. インストーラの言語を指定する。
4. 次へをクリックし、インストールの種類を「簡易」に設定して次へをクリックする。
5. インストール先フォルダを指定して次へをクリックする。デフォルトではC:\Alfrescoにインストールされます。
6. 管理者パスワードを入力し、次へをクリックする。
7. 次へをクリックするとインストールが開始する。無事インストールされることを確認する。
もしうまく動作しない場合は、 C:\Alfresco\tomcat\logs\alfrescotomcat-stderr.yyyy-mm-dd.log を確認してみてください。以下のようなログが出力されている可能性があります。
2014/07/02 11:48:20 org.apache.catalina.core.StandardContext listenerStart
致命的: クラス org.alfresco.web.app.ContextListener のアプリケーションリスナの設定中にエラーが発生しました
java.lang.UnsupportedClassVersionError: org/alfresco/web/app/ContextListener : Unsupported major.minor version 51.0 (unable to load class org.alfresco.web.app.ContextListener)
この場合は、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。
c:\alfresco\tomcat\bin\tomcat7w //ES//alfrescoTomcat
以下のようにTomcatのサービス設定ダイアログが表示されるので、JavaタグのJava Virtual Machineのパスが C:\Alfresco\java\jre\bin\server\jvm.dll になっていることを確認し、異なる場合は修正してください。上記エラーが出ている場合は、既存のJavaインストール(しかも1.6以下)を指していることが多いです。
修正したらAlfrescoサービスを再起動し、ブラウザでアクセスしてログイン画面が表示されることを確認します。
Alfresco 5.0の新機能
続いて、Alfresco 5.0の新機能について見ていきましょう。大きく分けると検索機能の強化とプレビュー機能の強化が挙げられます。
検索機能の強化
Alfresco 5.0での一番大きな変更点が、検索機能の強化になります。主な機能強化は以下のとおりです。
- ファセット検索と検索結果の絞り込み
- 検索文字列を複数指定した場合の挙動がOR検索からAND検索に変更
- 検索結果画面からのコンテンツアクション実行
- インスタント検索(画面右上の検索ボックスでのリアルタイム検索結果表示)
ファセット検索はもちろん大きな機能強化なのですが、個人的にはAND検索とアクション実行が嬉しいところです。これまで要件としてよく出てきていた内容で、ありがちなカスタマイズ項目だったりしました。
プレビュー機能の強化
Alfresco 5.0ではプレビューの機能も大幅に強化されています。主な変更点は以下のとおりです。
- プレビューがHTML5ベースとなり、Flashが不要になった
- プレビューでの検索やPDF形式でのダウンロード
- 動画の疑似ストリーミング(プログレッシブダウンロード)
Flashが不要になったことで、より多くのクライアントでプレビュー機能を利用できるようになりました。また、大容量の動画ファイルをダウンロードすることなく再生できるようになったため、このようなメディアファイルを管理する環境での使い勝手も大きく向上するものと思われます。
その他の新機能
- リッチテキストエディタの改善
- サイトマネージャ
その他にも細かいところで様々な改善がなされていたりしますが、主要な機能強化は以上になります。
(2014/12/01追記) その後5.0.bがリリースされてさらにいくつかのエンハンスメントがなされています。詳しくは「Alfresco 5.0.bの機能紹介」を参照してください。
本エントリは以上になりますが、いかがでしたでしょうか。まずはAlfresco 5.0をインストールし、簡単に触ってみて使用感を確認していただければと思います。